アン・シャーリーを日本の女子短大生にしたような

しないような…、


魔法飛行 (創元推理文庫)

魔法飛行 (創元推理文庫)

『魔法飛行』加納朋子


物語を書いてみたら−−−


文通相手の綾乃さんに背中を押され駒子は書いてみることにした。
日常の不思議を。



駒子と友人たちの短大キャンパスライフの描写が楽しいです。
ほんと駒子の性格は好ましいわぁ。



 交通事故で子どもが亡くなった話を聞いて

「あら、駄目ですよ」
「何が駄目なんです?」
「だって…、子供は死んだりしちゃ、駄目なんです」


公園にてよちよち歩きの子供や、それを撮影している父親、芝生にシートを広げる家族連れ、買い物帰りの老夫婦などを眺めて


「ねえ、ああいう光景を見てるとさ」「幸せになるって、何かすごく簡単なことのような気がしてこない?」


ななつのこ』でも不意に真雪が愛おしくなったり、駒子はほんとにもう、なんて愛らしいんだろう、(あれ?気持ち悪いぞ、私)、


よかったのは3篇目、『魔法飛行』、学祭、UFOを信じる夢見がちな男の子と現実的な幼なじみ女の子のちょっとしたお話、少し温かい。
他の3篇が少し暗めの後味でしたから。そういう意味では『ななつのこ』の方が良かったかな。
 でも、これも好きだ。