「情けないじゃないか、さんざ苦労してこれっぱかしさ」

「はい、お久しぶりです、アンドお疲れ様です。
 まず結果から言いますと大勝利、と言っていいでしょう。
 入札できなかった品に使われたポイントはありません。
 みんなの入札状況を見てからならなんとでも言えますが
 まずは満足すべき状況かと」
「……」
「……」
「何よ、二人とも。何かあんの?」
「…ポンチ絵
「?」
「おにゃのこのポンチ絵っ!!」
「取れたじゃん、2点も」
「もっと欲しかった、『少女探偵』も『モルダイバー』も伊藤伸平は一通り欲しいっ!!」
「だからそれは今からなら何とでも言えるけどさ、わかったよ、今度いっしょにブックオフで探そう」
「あなたコミック探すの下手じゃん、BIGコミック系くらいしかわかんないじゃん」
「だってあれおかしいよ! 系統別に分けられてるのもあって出版社別に分けられてるのもあって作者名順に分けられてるのもあんだぜ。出版社別に分けておいてその中で系統別(講談社ならマガジン系とかアフタヌーン系とか)に分けてその中から作者順ならまだわかるんだ。(もちろん一番ありがたいのは作者名順に並んでいること。たぶん見た目は悪いけど)。探せないって。で、お頭は?」
「納得いかねぇ」
「?」
「俺はよ、奴らと"戦って勝ち"たかったんだ!! 譲られた勝利に何の意味がある? いや、ない(かもしれない、でも欲しい品が手に入ったのはウレシイ)」
「そんな熱血でしたっけ? でもたしかになんなんだ?彼の正直さは。僕らはいつの間にかすっかり汚れちまったんだなぁ。
 僕はね、この『たびのきろく』読み返してみたよ、謙虚さに付け入るとかね、他人を競り合わせてポイント使わせようとか、盛大にフライングしちゃおうとかね、恥かしいね、穴があったら入りたいです、入らないけど」
「実際に始まってからはホントに落ち込んだよね、愚痴ばかり。僕たち出番すらない、あれ書いてたの誰なのさ?」
「第4の男。だってさ、みんなイジメルんだもの」
「振り回そうとしたら、逆に思いっきりジャイアントスイングくらったよね、ふらふら」